学部卒業後、テーブルウェアを扱う商社の企画に在籍しています。
仕事は商品管理や販促、ディスプレイ、カタログ制作、商品デザインと多岐に渡ります。商品情報の管理のためのデスクワーク、展示会での接客、カタログ校正におけるチェック作業…などなど、
学生までの自分としては決して得意ではなかった仕事も多くあります。

さらに在籍している会社はメーカーではないので、実際の製作の現場からは離れています。ですが、大学で学んだ技術や知識はもちろん、大学以前の予備校で得た基礎的なデッサン力など全てが今に繋がって活きています。

くわえて答えのない美術という世界を知っているからこそ、
常に様々な可能性に目を向けて、ふとしたヒラメキに自分でドキドキしたり、
日常の些細な事象にどうしようもなく心を揺さぶられたり、五感を働かせることが出来ます。

そして、会社から得ることは単に仕事の内容についてだけではなく、今までと異なる環境にいるからこそ見えてくる自分自身そのものです。

独りよがりでも作品が完成すれば評価される大学とは違い、会社では人と連携して一つの仕事を作り上げていくためのコミュニケーションが求められます。

違う個性を持つ人とのそうした関りは自分の世界を広げます。
制作の場にいると狭い環境、人間関係の中で終わりのない自問自答に陥りがちですが、会社という新たな世界を知ることで、たくさんの新たな発見や心の変化がありました。働いて得た学びがどうかたちになっていくかは入社3年目となったこれからですが、自分なりの選択の結果を楽しみにしています。

卒業という節目の後は、作品を作り続ける人、作家とは違う道を歩む人様々ですが、どの道が正しいという答えなど最初からありません。

思うがままに進むからこそ、その先が価値あるものになるはずです。
たとえ方向転換や後戻り、立ち止まりがあったとしても、自分の選択は自分なりの答えに繋がります。