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手仕事アーティスト

​井上 唯

平成19年度(2007年)修了

INOUE

YUI

学生のみなさんへのメッセージ

学生時代、卒業後の自分に「肩書き」をつけるとしたら何にするか?という質問をされました。

それ以来、この問いを考え続けていますが、自分のやっていること、そしてやりたいことを的確に言い表してくれる言葉をいまだに見つけられずにいます。

 

私は、大学で織物に出会い、織物の面白さを追求するうちに、空間と織物の関係性に惹かれていきました。

そして、ある地域に一定期間滞在して作品を制作する「アーティスト・イン・レジデンス」というプロジェクトが各地にあることを知って応募するようになり、その土地や特定の空間に合わせてモノを作っていくことや、現地の生活の中にある手仕事を含めた様々な“知恵”に惹かれ、積極的に織り以外の技法や素材も使うようになっていきました。

このように、続けていくなかで少しずつ興味や関心がはっきりしたり、変わったり、広がったりしていくことも、肩書きを決められない理由なのかもしれません。

 

ただ、ものを作ることを続けていくなかで、様々な人やモノゴトに出会い、惹かれたり、違和感に従ったりしながら選択を繰り返していくことで、だんだんと見えてくるものがあります。やってみること、そして続けていくことで、やりたいことの輪郭や、その先さらに続けていくための方法が次第に見えてくるのではないでしょうか。

 

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