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作家

 齋藤 一

略歴

平成26年度(2014年) 学部卒業

SAITO

MAKOTO

学生のみなさんへのメッセージ

 学部を卒業すると同時に、愛知県瀬戸市の食器メーカーに広報職として就職し、カタログやWebサイトのデザインを中心とした広報業務全般に関わりました。そして、約4年勤務し昨年2月に退社。作品の写真を投稿していたInstagramをきっかけに色々な方とご縁があり、今は国内10件、海外6件の取引先の方に支えられて、作品制作だけで何とか生活が成り立ちそうになっています。

 これまでの歩みを俯瞰したとき、作品制作に直接関係はない色々な伏線を回収してきた文脈上に、今の自分が立っていると感じます。

 高校の頃アートディレクターに憧れ、夢中になって見ていたデザインの知識。ライティングを工夫して撮っていた作品の撮影技術。趣味として触れてきたWebのコーディング。少しずつ積んできた英語の能力。そういったものが会社で仕事をするときに大いに役立ちましたし、その後会社で実際に経験し学んだ「伝える」「売る」ための仕組みや方法も併せて、全てが今作家としての仕事にこれ以上ないくらい役立っています。

 ただ、計画性があったわけでも、順調に進んできたわけでもないです。会社は入って3ヶ月で辞めたいと思いましたし、退社した時点では取引先も頂いている仕事もゼロでした。その場その場で冷静に最善手を尽くしてきたとは全く言えませんが、結果として一つ一つが今に繋がっています。

 私の仕事は焼き物を作ることですが、驚くほど多くの他の要素がそれを支えています。それは他者や社会との関わりという意味でもそうですし、私自身の行動や、内面の動きという意味でもそうです。逆にそういった他の要素との関わりによって、私の作るものが自ずと既定されていることも感じます。そのことに、喜びと安堵と悲哀と抵抗を感じながら、日々手を動かしています。

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